賃金の決め方

募集職種および人員数の決定

開業時の適正人員が何人必要になるかについては、開設する診療所の規模によって変わってきます。

スタッフ数の目安はユニット台数と同程度の人数が一般的です。

診療のことを考えれば歯科衛生士がいることが好ましいですが、特に都内での歯科衛生士不足は深刻で、開業から歯科衛生士を採用するのは難しい場合もあります。

また、歯科診療所の場合には、受付、助手という分業体制をとるところは少なく、受付と助手を兼任するケースが多いようです。

開業時に人員を多く抱えることは開業当初の固定費を増やすことになりますので、必要以上のスタッフを揃えることには慎重になる必要もあります。

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勤務時間および診療時間の決定

医療機関の場合には、週44時間まで就業時間を設定できます

院内に掲示する時間は患者さんに向けて示した「診療時間」であり、スタッフが勤務する「勤務時間」とは異なります。

通常、診療開始前の準備時間を考慮し診療開始時間の 30 分前を「始業時間」とし、診療時間の延長や片付け等を考慮して診療終了後の 30 分を「終業時間」して設定するのが一般的です。

また、昼休みの時間も明確にする必要があります。

これらの時間で週44時間を超えないように就業時間を設定します。

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基本給与体系の決定

給与は大きく分けると時給制のスタッフと月給制のスタッフに分かれます。

時給制のスタッフは単純に勤務時間×時給単価で計算しますが、月給制のスタッフについてはその内訳を設定する必要があります。

最も単純な例は毎月の固定部分をすべて基本給にしてしまう方法ですが、これでは先生が重要視している点を給与を通してスタッフに伝えるという事が出来ません。

給与体系というのは先生の考え方をスタッフに伝える重要な機会ですから、是非給与体系設定についてはよく考えてご自身の考え方を盛り込んでください。

以下に給与の手当等についてのサンプルを提示します。

【基本給】

基本給は年齢によって増額される場合もありますが、年齢に関係なく固定の場合もあります。ここは先生の考え方なので、例えば、20歳の未経験助手の人と、25歳の未経験助手の人で差をつけるかどうかという視点でお考えください。
差をつけるのであれば年齢ごとにいくら上がるかという年齢給表を別途作成しておくと開業後の給与設定でもブレが無くなります。

【時間外手当】

時間外手当はタイムカードや出勤簿などで正規に残業を計算し給与に加算する形態が一般的です。
ただし、固定残業制を導入する診療所もあります。 固定残業制を導入する場合は社会保険労務士等に相談の上、制度の構築をする必要があります。

【役職手当】

人数が増えてスタッフの中で中心として業務を行ってもらう場合に主任手当等の役職手当を支給します。

主任クラスだと1万円程度の設定が多いようです。

【資格手当】

歯科診療所の場合には歯科衛生士に資格手当を支給します。

診療方針として歯科衛生士の業務に力を入れるクリニック等はこの資格手当を厚くして、歯科衛生士業務の重要性を伝える場合があります。
助手や受付との給与差はここで出てきますので、同年齢で未経験の助手と、未経験の歯科衛生士の場合にどのぐらいの給与差が出るかという視点で考えてその差額が資格手当相当額となります。

例えば未経験助手で18万、未経験歯科衛生士で22万の支給額とするならば資格手当は差額の4万円となります。

【実務手当】

過去の経験を評価し、実務手当として支給します。
過去3年の経験があるスタッフと未経験スタッフでは当然支給する給与は変わってくるわけですからここでその差をつけます。

ただし、入社当初はいくら経験があるからと履歴書の職歴だけではその力量は判断できないので、試用期間中は実務手当の支給はせずに、本採用後に設定するのが実務的です。

【精勤手当(精皆勤手当)】

欠勤や遅刻を防止する役目をこの手当に持たせます。
従って、必ずもらえる手当では無いことをしっかりと伝えておきましょう。

精勤手当は減額の対象となり、その減額幅は決めておく必要があります。

とにかく遅刻や早退、欠勤は絶対にしてほしくないというような場合は1回でも遅刻早退や欠勤があった場合は支給額を0にする先生もいらっしゃいます。

【事務手当】

レセプト業務にあたるスタッフに支給する場合があります。

外部に委託するとかなりのコストがかかりますので、院内で適切なレセプト処理を行える事を考えると、この手当を支給する事によりスタッフが診療報酬についての学習や研修に取り組むきっかけとなれば安いコストかもしれません。

一般的には5000円から10000円ぐらいです。

【通勤手当】

自宅から職場までの交通費を支給します。

通勤手当は一定の範囲までは非課税となります。

公共交通機関を利用する場合は1ヶ月の定期代相当額となり、自家用車を利用する場合は通勤距離に応じて支給額を決めます。

遠方からの通勤の場合にはこの手当が数万円になる事もありますので、上限を設けておく事も検討してください。

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